舖装工事の手順って知ってますか?

道路工事ってなに?どうやって作られているの?How are they made?

みなさんがまず思い浮かべるのは真っ黒いアスファルト道路を作ることではないでしょうか?実はそれだけではないのです。
道路は大きく分けると4つの層で出来ています。
普段みなさんが目にしているのは黒いアスファルトで出来ている層で「表層(ひょうそう)」といいます。実はその下に「基層(きそう)」といって表層と同じくアスファルトで出来ている層があります。さらに下には「路盤(ろばん)」といって主に砕石(じゃり等)で出来ている層があり、一番下に「路床(ろしょう)」と呼ばれる主に土で出来ている層があります。断面図で見るとケーキみたいですね。※挿絵参照
それぞれの層の間には乳剤(にゅうざい)という液体が散布されていて各層を接着剤のようにくっつけています。そしてこの4つの層にはそれぞれ役割があるんですよ。さあ道路作りの手順と一緒に勉強していきましょう!

道路作りの手順Procedure of road making

① 現場の測量

工事を始める前に、まずは発注者様から設計図や現場の情報をもらい実際に現場を確認しに行きます。設計図がきちんと合っているかチェックをし、足りない情報は自分たちでも測量(高さや距離を測ること)します。その他に工事を行う上で何か気を付けることがあるか、工事をどのように進めるのが一番良いか・・・などイメージを膨らませながら、これから工事を行っていく上で必要なマーキング(目印を付けること)を行ったりして準備をします。

② 路床工事

道路作りは路床工事からスタートします。路床は主に土で出来ていて厚さは約1mにもなります。ブルドーザーやモーターグレーダーという重機を使って均していき、ローラーの付いた重機でガッチリと締め固めていきます。この路床が全ての道路の安定した支持力の基になっていて、もし路床が弱ければその上にいくらしっかり舗装をしても大きな車が通ればすぐに凹んでしまいます。舗装をすれば見えなくなるからといって絶対に手を抜いてはいけないのです。「路床を制する者は道路を制す!」なのです。

③ 路盤工事

次に路盤工事をしていきます。路床の上に砕石等を撒いていき、ここでもモーターグレーダーで敷均しをしてローラー重機で締め固めていきます。路盤の目的は、道路の交通荷重を広く分散させて路床に掛かってしまう負荷を小さくしていく、つまりクッションの役割があるのです。

④ 基層工事

さあここからが舗装工事のクライマックスです。路盤が出来たら基層工事をしていきます。基層は加熱されたアスファルト混合物(150℃以上)をアスファルトフィニッシャーという重機を使って路盤の上に敷き均していきます。敷き均しが終わったらローラー重機を使って均一に締固めていきます。基層は路盤と表層の間に作られて、ここでも道路の交通荷重を均一に分散支持させるクッションの役割を果たします。

⑤ 表層工事

いよいよ舗装工事のフィナーレです。表層工事をしていきます。表層は道路の交通荷重に接する最上部の層でありみなさんの目にも映る、云わば「道路の顔」です。作り方は基層工事と同じですが材料や目的が違います。車や人間が接するところですから、まず摩耗に強いこと、水に強いこと、平坦ですべりにくいこと、ヒビ割れず変形しないこと、そして美しく仕上がっていることが重要になります。材料も基層工事で使用したアスファルト混合物(粗粒)より密度の高いもの(密粒)を使用します。

まとめ

このように道路は様々な工夫がなされ、みなさんが安心・安全に利用できるように作られています。そして現代日本の道路は世界一の品質を誇り、最新設備や研究の成果により多種多様な条件に適した道路を作れるのです。ちなみに北海道と沖縄では道路の作り方や材料も全然違うのですよ。私たちもよりよい道路を作るため日々努力をしています!